2020年04月03日

ロックダウンと司法書士試験

乱文ですが、今思うことを書きます。

我々は、法律家ですので、
あくまでも、事実(法令含む)とデータと
論理で考える必要があります。



さて、最近よく耳にする「ロックダウン」
早くロックダウンしてくれ、という方や
●月●日にはロックダウンされると予想する方を
多く目にします。


医療関係者は医療崩壊を防ぐべき考え方
経営者や収入に不安のある人は経済を重視する考え方
多くの人は生命の安全を優先する考え方
政治家は、あらゆることを総合的(生命、経済、財政、外交など)に判断する立場から

色々と意見や考えがあると思います。


また、
早く緊急事態宣言をしてほしい、
ロックダウンをしてほしいという方の中には

緊急事態宣言≒ロックダウン(都市閉鎖)

と考えている人も多いです。


厳密には違います。



本当にロックダウンはあるのか。
ですが、


現行の法令上、海外がやっているような
ロックダウン、都市閉鎖は不可能であると
考えています。


「外出禁止令」「警察による取り締まり」
「罰則による担保」「就業制限」などの規制は
法令の根拠がないとできないからです。


したがって、本当に言ったのかは定かではありませんが、
プーチン大統領のように

「家に3週間いるか、刑務所に3年間いるかのどちらかだ、以上」

なんてことは日本の政治家は言えません。



検討すべきは、

改正した新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」という。)
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

の2つ。


特措法では、

新型インフルエンザ等緊急事態宣言(35条)がされたときは、
ある程度の行動の制限ができるようになります。

ただ、上記のような厳しい制限はできず、

あくまでも


「生活の維持に必要な場合を除きみだりに居宅等から外出しないこと」の要請(第45条第1項)
つまり、不要不急の外出の自粛要請

「学校、福祉施設(通所または短期間の入所により利用されるものに限る)、興行場、政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者、または当該施設を使用して催し物を開催する者(施設管理者等(学校、保育所、劇場、映画館、百貨店、ホテル、体育館、博物館、図書館、学習塾など))」に対して、利用停止要請を行うこと、および要請に従わない場合の停止指示(45条2項、3項)

病院の開設のための土地使用、収用など


ができるにとどまります。



つまり、外出自粛の「要請」と学校等への利用停止などの
「要請」と「指示」ができるにとどまります。

「指示」については、行政の許認可等が必要な事業に対しては、
強い権限を持ちます。


それでも上記には罰則規定がありません。


緊急事態宣言による外出自粛の「要請」と
その他の指示が
現行法上で最高レベルの政府の意思と考えれば、


これが日本版ロックダウンと私は解釈しています。


大規模な建物などの使用をしなくなったり、
イベントなどが開催されなくなったり、
雰囲気は大きく変わると思います。

 
法的な強制力はないけど、自律的に判断し、行動し
何とかする

現状は、国家権力に強制されることなく行動するしか
ありません。
 

海外版の都市閉鎖のように、法的にできないことを
政治家に求めても事態は変わりません。

事実を元に、緊急事態宣言の有無に関わらず、
自粛の要請をどう解釈して行動するかです。
 
ただ、不要不急の仕事ってほぼないので、
判断は難しいです。

就業制限まではされていないので、
経済活動をしなくてはいけない人は
継続やむなしとも思います。
なので経済対策とのセットで実施することが
重要です。
  

一方で、
電気・ガス・水道等のインフラの維持(52条)、
医療提供体制の維持(47条)、
運送・通信等の維持(53条)に加え、
食品や生活必需品の供給、

も規定されています。


つまり、生活インフラはもちろんですが、スーパー、薬局は開いています。
これはロックダウンした海外でもほぼ同様の取扱いです。


なので、緊急事態宣言が出たとしても、
不必要な買い占めは不要です。

食料品は、原則ほぼ毎日流通しています。


通常の備蓄に少し気持ち多い位で
十分だと思います。

 

仮に、国家の正当な業務により、
国民が損害を受けた場合は、
その損失補償が議論されます(憲法29条3項)

不要不急の外出自粛「要請」や
施設管理者等への利用停止「要請」

がそれらに当たるのかは、難しいところです。
緊急事態宣言を出すと間違いなく経済は破綻します。
海外の実施結果を見ると効果は今のところわかりません。

少なくとも経済には大きな影響を与えます。
 

ただ、もちろんその損失はある程度補てんする
前提で国は動いているのだと思います。


従業員の休業手当に関する助成金(9割負担してくれます)や
何かしらの給付など
検討し実施するはずです。

東京都独自の補助金もあり、私の事務所も申請しました。
 

一方で、助成金の申請は結構大変です。
私の事務所でも申請を検討しているのですが、
申請書に慣れている我々でも結構苦労します。
 

普段申請書に馴染みのない業者の方は苦労すると
思います。
 
 

そこで士業の活躍の場があります。
主に社労士です。
繋がりがある方は紹介してあげるだけでも良いと思います。
 
 
我々にもできることはあります。
選択肢を提示してあげるだけで、救われる人もいます。
困った人がいるときには、士業は連携して役立てることがあります。
 
司法書士の専門分野に、にとどまらず、
お客さん、世の中のニーズに対して、アンテナを張り、
30分〜1時間程度申請書を真剣に読めば、
提供できるものが増えます。
 
代理申請までする必要はないです。
情報提供と人の紹介をするだけで十分です。
 
いわゆる4号、5号の融資についてもそうです。
売上が落ちている場合に融資の要件緩和と
利息の補助の制度です。
 
 
何かを批判することにもちろん意味がないわけではないのですが、
事態は何にも前に進まないです。

我々専門家、専門家になろうとしている人を含めて
できることを模索して、自分で答えを探して
行動していくのが、役割なんだと思います。
  
 
もちろん、受験生の方は、

目の前の勉強に集中する

それこそが未来の自分と、周りにいる人、
社会への最善であり最大限に貢献する
選択ではないかと思います。
 
 


さて、話は飛び過ぎてしまったので、
司法書士の試験について


実施はどうなるか。
 

前提としては、
「もちろん実施の予定で全力で勉強する」

しか選択肢はありません。
 
 
 
受験案内を見ると、

筆記試験当日の注意事項に


(14) 災害等が発生した場合における試験実施に関する情報については,法務省ホームページ(http://www.moj.go.jp/)を御覧いただくか,受験地の法務局又は地方法務局に問い合わせてください。

とあります。
これは災害など緊急時において、試験の実施等に影響(延期、中止、開始時間変更など)がある場合の配慮かと思われます。

昨年度は、受験案内と別途
気象災害が懸念されることによる司法書士試験の中止等の緊急情報
として出されていました。
参考:http://www.moj.go.jp/content/001299162.pdf
 

なお、2019年内に出されていた司法試験の受験案内にも同様の記載があります。
(15) 災害等が発生した場合における試験実施に関する情報については,法務省ホームページ(http://www.moj.go.jp/)を御覧いただくか,司法試験委員会に問い合わせてください。
 

したがって、特に新型インフルエンザを意識した記載ではないと思われます。



具体的にどんな場合に中止などになるか。


緊急事態宣言が出されて、それが解除されないと
学校等の会場を使用は難しくなります。
イベントの停止指示を出すことができます。

民間に停止の指示をするなら、法務省主催の試験が
中止、または延期になるのは避けられないでしょう、



緊急事態宣言が継続しているのであれば、
試験は7月5日には実施されないでしょう。
中止または延期の措置を取ることになります。
 
 
7月までそのような事態が続くかは
未知数です。


緊急事態宣言とは関係なく中止または延期の可能性もあります。



それでも全力で準備をするしかありません。



同じ法務省管轄の5月にある予備試験、司法試験の
対応が一つの判断基準にはなると思います。

5月と7月では事情は違いますが、
参考にはなるため、注視が必要です。



あらゆる事態を想定しておきましょう。


試験が延期であれば、そのまま全力で、
中止であれば、行政書士や宅建試験を受けつつ
次の準備するでも良いでしょう。




繰返しになりますが、
我々は、みんなが不安なときほど
事実、論理、データに基く冷静な判断が求められます。


コロナのデータについては、厚労省のページが信頼おけます。


現在は、
飛沫感染(くしゃみや咳など口から出る唾液等)
と接触感染によるとされ、
空気感染は、通常は感染の可能性は高くない

けれども、
15分以上密室にいると危険性が高まるとも。
つまり飛沫感染、接触感染類似の状態は避けましょう
ということでしょうか、


満員電車で、感染拡大が起こらず、
飲食店やイベントで特に広がるのは、
後者が口を開け、声を出し、触れ合うからだと
考えられます。


それを考えると、多くの人は集まりますが、
窓を開けて、間隔を空けて
マスクをして、黙って試験を受ける限りは
感染のリスクはそこまで高くないのでは
という考えも成り立ちます。


検温と消毒とマスクを義務化し、
試験前や休憩時間の私語や電話などを禁止すれば
何とか実施できないのか、
と考えます。

そもそも
その頃には落ち着いていることを願っています。

1年(以上)努力して準備した成果を出せる場と
社会に必要とされる人材を輩出する機会は
残してほしいと願っています。




以下厚労省のページです。

新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html


新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#houshin

国内の感染者数等のデータ(東洋経済オンライン)
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/



しっかりとした情報が提供されています。
信頼のおける情報をもとに細心の注意を払い、
正しく恐れましょう。





色々と話は飛びまくってしまいましたが、


一番伝えたいことは、

何があっても動じずに、
全力で勉強して準備しておきましょう。


ということでした。



あの2020年に合格した


と言えるよう、今踏ん張り時です。





向田恭平
posted by 司法志士 向田恭平 at 22:41| Comment(0) | 試験情報・お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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