2011年06月25日

第2回公開模試 不登法記述式採点実感(その2)

採点雑感その2です。


にこさん,筒井先生,コメントありがとうございます!

以下,コメントを引用させていただきます。



 自分は、所有権留保のある売買の登記の前提として、遺言のとおり妻への遺贈をうつのか(所有権が買主に移転してはじめて妻へ遺贈する旨の遺言が失効するのか)、それとも法定相続をうつのかでかなり悩んでしまいましたが、なんとか法定相続をうつことが出来ました。
 「迷った時多くの受験生が何を書くのか考える」ことが今年の自分の課題の一つだったのですが、試験中は、なんとなく遺贈をうってしまう受験生が多いのではないかと考えていました。この点、遺贈をうってしまった答案は少なかったのでしょうか?差し支えなければ教えてください。
Posted by にこ at 2011年06月21日 23:55



にこさん。

採点の際の主観では,答案全体でみれば,「遺贈」を登記原因としてしまったものの比率はかなり高かったと思います。しかし,いわゆる合格者レベルの答案(他欄も併せて見て,おそらく択一記述とも基準点を超えてくると思われるもの)を見ると,ほぼ確実に法定相続の登記を記載していたように思います。

「多くの受験生が何を書くか考える」ときには,受験生全体ではなく,基準点を超えてくる合格レベルの受験生をイメージしてください。合格レベルの人達が解けないところで点を稼ぐのではなくて,彼らが絶対に外さないところは自分もミスしないのが合格の秘訣です。

遺言のみなし撤回制度が,なぜ,何のためにあるのか,という制度趣旨をしっかり把握していれば,所有権留保特約に迷わなかったはずです。仮に迷っても,合格レベルにある人達の多くは制度趣旨から考えて遺言失効→法定相続で来るはずだ,と判断できます。

みなし撤回の制度趣旨をしっかり頭の中に入れてから,もう一度問題の遺言の有効・無効の判断をしてみてください。
記述ってこう解くのか,法的判断てこうするのか,が実感できるのではないでしょうか。
Posted by 問題作成者・筒井 at 2011年06月22日 10:30
 



筒井先生、回答ありがとうございました!
 「遺言者の最終意思を尊重する遺言制度の趣旨からすれば、遺言者に、売買契約時点において、既に妻への遺贈を維持する意思がない」からなんですね。
 残念ながら、試験中は「何となく法定相続ぽいかな」というレベルでしか判断できませんでした。
 残りわずかな時間になってしまいましたが、本試験では、制度趣旨から解答の演繹ができるよう知識を研ぎ澄ましていこうと思います!
Posted by にこ at 2011年06月22日 23:32





にこさん
筒井先生のコメントで回答としては十分かと思います。
筒井先生は,自らが作問した公開模試の記述式答案を毎年数百通添削しています。
まさに魂を持って仕事をしている一人です。


判断に迷ったら,趣旨から考える,原理原則に立ち返る。

非常に重要なことです。
本試験においてもそのような場面は必ずやってきます。


さて,雑感の補足です。すべて私見です。


筒井先生の公開模試の問題は,1回目と2回目で連続性があります。

「売買契約」の評価,判断


第1回
売買契約には,所有権の移転時期に特約がありました。(問題:具体事例)

買戻特約の要件,「売買契約と同時に」という言葉があります。(要件:抽象知識)

これら二つを比較します。
結果は,売買契約と同時に買戻特約を結べばよく,所有権移転の時期がズレてもOK!



第2回
売買契約には,これまた所有権移転の時期に関して売買契約と同時ではない旨の
記載があります。
所有権が具体的に移転する前に,遺言者死亡。(問題:具体的事例)

遺言の効力は?
遺言は,遺言者の最終意思の尊重をする。(制度趣旨:抽象的知識)

当てはめ
売買契約締結の時点で,遺言者の最終意思は,遺言を撤回すると判断する方が妥当。


「所有権の移転時期に特約のある売買契約の評価,価値判断」ができるかどうかを
2回に渡って問題にしています。


さらに所有権は,どうなるのか。
買主移転する前に,相続(遺言のみなし撤回)が開始しています。

なので,一旦相続登記を申請します。


「仮に」という事例は,相続開始前に,売買により買主に所有権が移転してるので,
相続人は,一瞬足りとも所有者にはなりません。相続登記は申請する余地なしとなります。



2回合わせて解くことにより,総合力が確認できる問題となっています。


単に知識があった,なかったという問題ではありません。
思考過程を訓練するには良い問題ですので,その点を意識して見直してみてください。


今日も張り切っていきましょう!




夏の応援song
夏が来る/大黒摩季





わや暑いし,なまら辛い時期だけど,けっぱれ受験生!


向田 恭平


posted by 司法志士 向田恭平 at 12:10| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 試験対策・勉強法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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